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みなさまこんにちは。チーム★トウカイセツビ広報担当のAです。

前回まで消防用設備の代表のひとつである消火器の誕生から日本における歴史などを紹介させていただきました。今回は消防用設備として消火器とともに身近なものであるスプリンクラーについての歴史を振り返ってみます。

そもそもスプリンクラーとは建物内の天井にスプリンクラーヘッドと呼ばれる放水装置を設置し、そのスプリンクラーヘッドに配水管を繋げておくことで、火災が起きたときに発生する熱によってスプリンクラーヘッドの散水口の金属片が溶け、自動的に放水されて火を消すという、初期消火に役立つ装置です。同じスプリンクラーという名前で、屋外の庭や田畑といった地面に設置し、任意のときに散水する装置もありますが、ここでは火災に使用するものだけを取り上げます。

スプリンクラーを発明したのは、18世紀のイギリス人、アンブローズ・ゴッドフリー(Ambrose Godfrey)とされています。消火器の項でも紹介させていただいた、リン製造と薬局の経営で財を成した人物です。

アンブローズ・ゴドフリーに続いて、1806年にはイギリスのジョン・キャリーという人物が穴開きパイプの消火設備を発明しました。これは、天井に穴の開いたパイプを這わせ、その上部に配水管を通して、そのパイプと配水管を送水管で連結します。送水管には栓がしてあり、その線はワイヤーで錘に繋がっています。錘にはもう一本、天井近くに渡したひもが結び付けられており、錘はそのひものほうに支えられてぶら下がっているという状態になっています。

火災が発生するとそのひもが焼かれて切れ、錘が落下します。するとワイヤーでつながっていた送水管の栓が外れ、配水管からパイプに水が流れ込み、パイプの穴から水が放出されるという仕組みです。

この仕組みをウィリアム・コングリーブという人物がさらに改良し、1809年に特許を取得しました。

コングリーブは、ロンドンの子ヴェント・ガーデン地区にある英国最古の王立劇場であるシアター・ロイヤル・ドルリー・レーンにスプリンクラーを設置しました。これが建築物にスプリンクラーを設置した世界初の事例と言われています。

そのごもスプリンクラーは改良され続けますが、1864年には、ロンドンの自衛消防技士であったスチュワート・ハリソンという人物が、現在のスプリンクラーの原型となる閉鎖式スプリンクラーヘッドを開発し、さらにその数年後には、世界初の全自動式機関銃を開発したハイラム・ティーブンス・マキシムが自動火災スプリンクラーを発明しました。

このマキシムの発明したスプリンクラーを発展させて、初めて実用的なスプリンクラーシステムを開発したのが、フェアヘーブン＆ウェストビルストリート鉄道会社の社長で、同時にピアノメーカーでもあったヘンリー・Ｓ・パーメリーという人物です。このパーメリーは1874年から1882年にかけてスプリンクラーに関する特許を7つ取得し、火災保険会社にも認められるスプリンクラーシステムを作り上げました。

そのスプリンクラーシステムを世界中に広めたのは、フレデリック・グリンネルというアメリカのエンジニアです。彼はスプリンクラーに関して40を超える特許を取得し、ドライパイプバルブや自動火災警報システムも開発しました。パーメリーとグリンネルの活動がきっかけとなって、アメリカには200,000台を超えるスプリンクラーが設置されたと言います。

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