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■2023.07.05
スプリンクラーって設備知ってる?3
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みなさんこんにちは!
こちらのブログで全五回に分けてみなさんにお話させていただいているのは、スプリンクラー設備についてです。
前回の内容を軽くおさらいすると、
スプリンクラー設備は、水源、加圧送水装置(消火ポンプ)、起動用圧力タンク、自動警報装置(流水検知装置、表示装置、警報装置等)、
スプリンクラーヘッド、補助散水栓、送水口、配管・弁類及び非常電源等から構成されています。
湿式(しっしき)。これは、最も広く採用されている方式です。閉鎖式スプリンクラーヘッドが用いられており、
そのスプリンクラーヘッドは、火災時の熱により容易に溶ける合金(ヒュージブルリンク)や、
火災の熱で破裂する揮発性の液体(エーテル、アルコール等)を満たしたガラス球(グラスバルブ)で封じられています。
乾式(かんしき)。これは、寒冷地等で、凍結により散水不能や配管の破損のおそれのある場所で採用されていますというお話でした。
第三回目の今回は、前回に引き続きスプリンクラー設備の種類や方式についてお話していきたいと思います。
予作動式。火災感知器等の作動により、予作動式流水検知装置が開放し、スプリンクラー配管中に圧力水を送り、
更に加熱によるスプリンクラーヘッドの作動により放水を開始します。
つまり、スプリンクラーヘッドの開放と自動火災報知設備等からの信号の二つの動作がなければ散水しない構造です。
したがって、湿式のように事故などによる単なるヘッドの破損等のみでは動作しません。
そのため、コンピュータールーム等、不慮の散水により莫大な損失を被るおそれのある場所で用いられています。
ただし、予作動式スプリンクラーは設備が複雑なために、設置費用が高額というデメリットもあります。
また、設計上放水開始にタイムラグ発生してしまうなど、装置が複雑化していることによる難点があったりします。
しかし現在は、上記の放水遅れを解消した予作動湿式スプリンクラーも開発されおり、この予作動湿式タイプのスプリンクラー設備は、
一部のフロアだけを予作動式にして、他のフロアは従来の湿式スプリンクラー設備とする構成も可能になっています。
また、既存の湿式スプリンクラー設備において、流水検知装置など一部の部品を交換することで予作動湿式タイプに改修することも可能です。
そのため、設備コストが大きく跳ね上がることもなく、重要なフロアのみに、より安全で安心な消火設備を構築することが出来ます。
開放式。開放型スプリンクラーとは、水の出口が常に開いているもののことをいいます。
開放型スプリンクラーヘッドを用い、火災感知器等と連動して作動するか、又は手動によって一斉開放弁を開いて放水する方式です。
高天井かつ大量の可燃物が存在する劇場の舞台等で設置されていて、感熱部の無い開放型スプリンクラーヘッドと配管を配置し、
火災時に舞台袖に設けられた手動起動装置のバルブの操作や、防災センターからの電磁弁の操作により一斉開放弁を動作させ、
一定の範囲のスプリンクラーヘッドから一斉に散水し消火を図ることができる設備です。
舞台上の散水区画は数箇所に分けていて、各起動装置のバルブがどの位置に散水するバルブか判りやすいよう表示する必要があります。
また、通常複数区画同時の散水能力はなく、みだりに多数の区画を起動すると消火不能に陥る危険があります。
放水型。放水型スプリンクラーは、放水銃など放水範囲が変えられる可動式ヘッドを用いた方式と、
壁面あるいは天井面に設置された固定式ヘッドから一斉に放水する方式があります。
放水型ヘッドには固定式のものと可動式のものがあり、大型の可動式ヘッドは、スプリンクラーというよりも放水銃に近いものです。
放水型ヘッドを用いるスプリンクラー設備でも、システムの構成は開放式とほぼ同じなのですが、
可動式のヘッドを利用するシステムでは、センサーで火災現場を特定し、放水銃の照準を合わせ放水したり、
鎮火を確認したら自動的に放水を停止するなどの、より進んだ制御が行われることもあります。
また、大型のヘッドを用いるシステムでは、より効果的な放水のため、水流に圧搾空気を混入させることもあります。
ただし、センサーが誤作動した時(例えば落雷電流等による作動)には甚大な水損が発生してしまう恐れもあります。
ドーム・アトリウムや吹き抜け等の大空間では、開放式スプリンクラーさえ不適当な場合もあり、
このような場合には、放水型ヘッドを用いたスプリンクラー設備が使われています。
今回は、この辺でおわりにさせていただきます。
また次回、スプリンクラー設備に関する基礎的な知識や、アレコレもろもろの事柄をお話させていただきたいとおもいます。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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